次回予告
 

■説二十三『印旛沼古堀筋御普請(いんばぬまふるほりすじごふしん)』■
下総の国、印旛沼の工事中に相次いで事故が発生していた。それは、黒坊主という妖怪の仕業だという。工事を中止させるため、江戸へやって来た太作という少年から、黒坊主の噂を聞く奇士たち。だが、小笠原は妖夷退治に動こうとしない。工事が中断すれば、鳥居耀蔵の失脚に繋がるのだという。小笠原の制止を聞かずに、印旛沼へ向う往壓。そこで遭遇したのは、人々を蝦蟇に変える妖夷だった。その陰には、西の者たちの姿が……。

脚本/會川昇
絵コンテ/宮地昌幸
演出/白石道太
作画監督/坂本千代子 山本善哉
美術監督/佐藤豪志



各話解説



【印旛沼(いんばぬま)】
千葉県北部の湖沼。利根川が氾濫すると、印旛沼周辺はひどい水害にみまわれた。そのため、江戸時代を通じて、干拓事業と掘割工事が行われた。だが、いずれも失敗に終わっている。天保の掘割工事は、異国船に江戸湾が封じられたとき、江戸に物資を供給する水路を作っておくためだったという説がある。



【上知令(あげちれい)】
天保14(1843)年、天保の改革の一環として老中水野忠邦の発令した土地政策。分散していた幕府直轄領を、江戸城、大坂城の付近に集中させ、幕府の権力を強化しようとした。そのため、江戸城、大坂城付近の私領を他へ移そうとしたが、関係する大名、旗本らの猛反発にあい中止となった。これが、水野忠邦失脚の直接の要因となったという。



【瓦版(かわらばん)】
17世紀に始まったといわれる、事件の急報に用いた媒体。瓦版売りが路上で、大声で読みながら売り歩いた。江戸時代には一般に読売りと呼ばれた。



【下総国(しもうさのくに)】
旧国名。現在の千葉県北部と茨城県の一部。



【漢神「道」】
漢神「道」 西の者の配った札に書かれていた字。首を携える形から成り、異族の首を携えて道を祓うという意味を持つ。



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