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—— さて、この天保14年ごろは、幕府の重要人物である鳥居耀蔵(※2)が「妖怪」というあだなで呼ばれつつ、「天保の改革(※3)」を行っている時代ですね。彼は本編に登場するそうですが、どんな役割なんでしょう。 |
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會川 鳥居耀蔵は多くの小説、漫画やテレビドラマに登場する人物ですが、彼の思想については、いろんな意見があるんです。保守的という人もいれば、改革を押しすすめた人物だという人もいる。本編の中での鳥居の立場は、のちのちはっきりしていくでしょうが、個人的には単なる保守的な人であるとは思っていません。妖夷を日本古来のナショナリズムの象徴として、大事にしようとしている……そんな存在になるんじゃないかと思っています。 |
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—— そういった歴史上の人物とのドラマも楽しみです。 |
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會川 物語は天保14年1月から、天保15年後半、弘化元年ぐらいまでの約二年の中で展開するつもりです。ただ、今回は歴史上の話はあくまで舞台にすぎなくて、その変化する環境の中で、いかに主人公が自分の生き方を貫けるかという話が中心になっていきます。 |
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—— 主人公・竜導往壓は大人の男性ですね。 |
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會川 たとえば「ルパン三世」や「シティーハンター」(※4)のように、主人公の年齢が関係ないアニメーションを作ってみたかったんです。「土6(※5)」というと、少年少女が成長したり、色恋にいちいち悩むという展開がある作品が多かったんですが、もっと広範囲の人が楽しめるものを目指しています。竜導往壓は大人の世代の主人公ですが、子どもの世代の登場人物と物語の中で出会うことで「大人と子どもの違いとは何だろう」「いつから自分は大人と呼ばれるものになっていけるのだろう」「自分が子どもの頃に憧れていた正しい大人とはどんな存在だったんだろう」という問いかけができたらと思っています。 |
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—— 作品の見どころは? |
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會川 もともと今回の原作は「土6」で何をやるかというところから企画したものです。時代劇といっても、宇宙でロボットが動いたり、異世界で錬金術を使ったりするのと、視聴者にとってはあまり変わらない世界だと思います。むしろ、歴史という手がかりがある分、興味を持っていただけるんじゃないでしょうか? 妖夷を倒す、チームアクションドラマに注目しつつ、先入観なく楽しんでいただければ、それが一番です。 |
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